涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


そこには、私を待っていた女子が他に5人いた。


名前は分からないけど、リボンの色から1年生であると知る。



宮田さんが私の背中を強く押した。


冷たく睨む6人の女子に、囲まれた。



一人が薄く笑って聞いた。



「朝比奈さん、何の呼び出しか、分かるよね?」



「… はい」




この子達は、皆、上條君が好きなのだろう。


上條君に構われる私が、目障りだと言いたいのだろう。



睨まれて怯えていた。

視線が痛くて、俯いてしまう。


握りしめた手が、小刻みに震えていた。



6人はクスクス笑う。

分かりやすく怖がる私が、面白いみたい。



次々と、敵意に満ちた言葉が投げられる。



「朝比奈さん、最近調子に乗りすぎ」


「大人しいふりして、男癖悪すぎでしょ」


「貝原君狙ってたくせに、あっちがダメだからって、上條君はやめてよ」