それでも、行かないわけにいかない。
話しがあると言われて、無視することは出来ない。
加奈の手を、やんわりと解いた。
「話しだけ聞いて来るね…
大丈夫だよ… きっと…」
心配してくれる加奈を残し、教室を出る。
廊下で話しを聞こうと思ったのに、宮田さんに腕を引っ張られた。
「あっちで話そ」
と強引に連れて行かれた。
着いた場所は、短い渡り廊下を渡った先。
一階の奥まった場所で、
生物室、化学室、地学室…
理科と社会科の専門教室が並ぶ場所だ。
昼休みのクラスは賑やかだけど、
ここはひっそりとして、人気がない。
廊下も薄暗く、空気も重たく感じる。
そんな場所の、小さな水飲み場に連れて行かれた。


