そう言われ、慌てて夕凪を弁護しようとする。
嫌わないで欲しい。
ただでさえクラスで孤立しているのに、イジメられたら嫌だ。
「あのね、本当の夕凪は優しくて真面目で、良く笑う子なんだよ。
中学生の時は友達もいっぱいいたし、宿題もちゃんとやって、
それからね……」
夕凪の弁護に一生懸命になっていると、
「貝原の説明は、もういいから」
と止められた。
上條君が、なぜか悲しそうに笑う。
「朝比奈さんは、貝原が好きなんだね」
「あ… えっと… それは…」
気持ちは見透かされている。
それには気づいていたけど、恥ずかしくて口ごもる。
顔を赤くして俯く私の上に、小さな溜息が落ちた。
彼は、独り言のように呟いた。
「ハンデが大き過ぎるよな…
あっちは幼なじみで、俺は2ヶ月…」