涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


頑張り始めて一週間後の昼休み。


いつものように、お弁当を手に加奈の席に行く。


すると加奈にこう言われた。



「今日は一緒に食べれない。
潮音、ごめんね」



一部の陰口を言う女子のように、加奈も私が嫌になったのかと誤解した。



眉をハの字に下げた私を見て、加奈は慌てて「違うよ」と言ってくれた。



「今日のお昼、手芸部のみんなで食べる約束しちゃって…」



それが理由だった。


加奈は最近部活に入り、楽しそうにしている。


一緒のお昼を断られるのは初めてで淋しいけど、そういう理由なら仕方ない。



他のグループに入れてもらう勇気は相変わらずなく、

今日は一人で食べることに決めた。



加奈が、少し笑って言った。



「潮音、貝原君と一緒に食べれば?」



「夕凪と…?
それはちょっと…」