涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


海辺に作られた特設ステージで、
表彰式が行われた。



ステージ前はマスコミ関係者が押し寄せ、

私はその後ろで他の観客達に混ざり、ステージを見つめた。



決勝戦の後すぐに表彰式に入ったため、

まだドキドキ胸が高鳴り、興奮が収まっていない。



夕凪はサーフィン用の義足とサーフパンツ姿で、壇上に立っていた。



トロフィーと賞金を受け取り、
インタビューに答えている。


眩しいフラッシュが浴びせられ、
まるで芸能人だ。



司会者に義足サーフィンの苦労を聞かれた夕凪は、

「特に苦労はありません」
と答えていた。



実際は、かなり苦労の多い大変な道のりだったのに。


その澄ました顔と強がりに、
少しだけ笑ってしまった。



インタビューが終わり、表彰式も終わる。


これでやっと夕凪と話せる。


ゆっくり二人でお祝いしたいと思っていたら、

まだステージ上にいる夕凪に、突然名前を呼ばれた。