涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


その後夕凪は、2回波に乗った。


夕凪が3回目の演技を終了させたところで、ちょうど試合終了のホーンが鳴り響いた。



3回目のライディングも素晴らしく、観客達は湧いていた。



私は胸が一杯になり、夕凪を見つめる瞳が潤んでしまった。



そこに、興奮気味の解説が流れてくる。


サーフィンはすぐに点数が出るので、

決勝戦の結果もすぐに会場に知らされた。




『ゼッケンブルー、今の演技も素晴らしいー!

エクセレント中のエクセレント!

ポイントは〜なんと9.55!!

こんな高い点数を出した選手が、
過去にいたでしょうかー!?


他の2選手を突き放し〜

今年のオールジャパンプロを征したのは〜

貝原夕凪選手だーーっ!!』




この大会で夕凪は、優勝とプロ資格の二つを勝ち取った。



浅瀬に上がってきた夕凪が、
拳を空に突き上げる。



大きくジャンプし、キラキラ輝く水しぶきを跳ね上げ、

全身で喜びを表していた。



最高の瞬間に、私の目からは涙が溢れていた。



何度も目を拭いながら、
目に心に、夕凪の勇姿を焼き付ける。



夕凪の夢が叶ったこの瞬間を、
私は一生忘れないだろう。