涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


新鮮な朝の空気に、潮の香りが混ざる。


波の音に、カモメの鳴き声。


沖合に、波乗り中のサーファーが数人見えた。



夕凪は海から離れた方へ歩き出す。


その腕を掴み、方向転換させた。



「違うよ、こっち。
海辺の散歩をするんだよ」



笑顔で言う私に、夕凪は渋い顔をする。



「なに企んでんだよ……
サーフィンは無理って、昨日言っただろ?」



「サーフィンしろなんて言ってないよ。
海辺の散歩。文句言わないで歩いて!」




夕凪の手を引っ張り、無理やり砂浜に足を入れさせた。



白い砂と青い海。

朝日が水面にキラキラ反射して、
綺麗だった。



海を眺める私と違い、夕凪は足元ばかり見ている。


時々溜息をもらし、不愉快に思っているのが伝わってきた。