涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


ドアを閉められ、一人夕凪の部屋に残された。



薄暗い部屋の中、ベッドに立てかけられた義足を見て、心に誓った。



もう一度、夕凪を海へ――……




バイク事故から約一年、
夕凪は海を遠ざけていた。


砂浜に足を踏み入れてもいない。


まずは、海と夕凪を繋がなくては。



海に入りさえすれば、きっと熱い気持ちが蘇る。


言葉で説得するより、体で波を感じる方がいいと思った。



恐怖に打ち勝ち、サーフィンしたいと思う日は必ずやってくる。

その為には、私が動かなくては……


そう考えていた。