涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


夕凪の胸を押し返そうとするけれど、びくともしなかった。



17歳の私達は、大人の階段を上っている最中。

体を重ねる日も遠くないと思っていたし、それが嫌だとも思わない。


それでも、これは違うと感じていた。



胸に触れる夕凪の手から伝わるのは、

愛情ではなく“逃げたい”という気持ち。



サーフィンと向き合うのが怖くて、逃げているのだと感じた。




びくともしない、筋肉質の体。


息苦しいほどの、荒っぽいキス。


優しさを忘れた、冷たい手。



嫌だと言うことも逃げることも出来ない状況で、廊下に父の声がした。



「おーい、風呂空いたぞー。
お前達、順番に風呂入れよー」




その声で、夕凪の手がピタリと止まった。

ハッとした顔で、飛びのくように私の上から下りた。