涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


一見、動じない態度。

私の方がよっぽど動揺しているように見える。



衝撃的な現実を、すんなり受け入れてしまった夕凪。


すんなり受け入れる……?

本当にそんなことが出来るのだろうか?




シャワーから上がりご飯をモソモソ食べていると、母が言う。



「今日は学校休むと連絡しといたよ。
潮音は少し寝なさい。
午後からお母さんが夕凪の所に行くから」



「うん……」




頷いて自分の部屋に行く。

ベッドに入っても夕凪のことを考え続け、眠れない。



「大丈夫だから……」

夕凪は何度もそう言った。


さっきは少しだけ、笑顔も見せてくれた。



大丈夫……

本当に大丈夫なの……?




耳に波音が聞こえていた。

ザザ……ザザザ………

寄せては返す波の音。


いつも聞いているその音に、サーフィンに夢中な夕凪の姿を頭に描いた。