涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


「学校に戻るか」


夕凪がそう言った。


もうパレードは終わってしまっただろう。

残念だけど、仕方ない。


後は教室や廊下を片付けて、
夕方からは後夜祭がある。



後夜祭も楽しみにしていた。


聞くところによると、グラウンドでキャンプファイアーのように火を焚いて、夜まで騒ぐらしい。


軽音部が野外ライブをしたり、

毎年恒例の告白イベントなんかもあり、すごく盛り上がるそうだ。




コンビニの駐車場の隅に行く。

青いバイクはボロボロの姿のまま、静かに待っていてくれた。


それを見て、気持ちが沈んでしまう。


佐伯さんの狙いは、初めから私だった。

夕凪のバイクは巻き添えを食う形で、傷付けられてしまったのだ。



凹んだ青いボディに触れ、夕凪に謝った。