私の恐怖は男達にさらわれたことだと、夕凪は勘違いしていた。
もちろん、それも怖かった。
震えるほどに怖かった。
でもそれ以上に恐怖を感じたのは、夕凪が赤信号の交差点に突っ込んだ時だ。
生きた心地がしないとは、こういう時に使う言葉だと身を持って知った。
夕凪を失うと感じたあの一瞬は、
恐怖を超えた恐ろしい何かを感じた。
夕凪に連れられ、コンビニの裏側へ移動した。
私は黒のメイド服。しかも血糊付き。
夕凪はマントはしていないけど、
黒いえんび服の吸血鬼スタイル。
怪し過ぎてジロジロ見られるので、コンビニの裏まで逃げてきた。
壁にもたれて、並んで座る。
怖かったのは、夕凪が無茶したせいだと説明する。
「ああいうのは、もうやめてね。
あんな事されるくらいなら、男達に酷いことされた方が、よっぽどマシだよ」
少し怒ってそう言うと、
夕凪がムッとして言い返してくる。
「俺だって、すげぇ怖かったよ。
佐伯を見つけて問い詰めたら、
今頃ヤラレてるとか言いやがるから……
マジ焦ったし、あのくらいは普通にやるだろ。
潮音がレイプされて俺だけ無傷なのは、絶対イヤだ。
死んだ方がマシ」
「そんなのダメ!!」


