涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


怒りに支配された夕凪は、本気で男をバイクから引きずり落とそうとしていた。



「潮音を返せ!
返さねぇと……殺す」



低く怒りに満ちた声で脅し、赤髪を掴んだまま速度を上げようとする。



赤髪の男は必死にバイクのシートに掴まっているけど、

体は大きく傾いて、今にも落ちてしまいそうだった。



とうとう男達は降参した。



「分かった!女は下ろすから、頼む、やめてくれ!」



赤髪の男が怯えながら、そう叫んだ。





国道沿いのコンビニの駐車場で、私が下ろされた。


夕凪がバイクから下りる前に、
男二人は逃げるようにバイクを走らせ、いなくなった。



夕凪がバイクを下りて、私に駆け寄る。



「潮音っ、無事か!?」



「無事じゃないよ……
心臓止まりそうだったよ……」




ギュッと抱き着いた私を抱きしめ返し、

夕凪が謝った。



「ごめん、もっと早く気付いていたら……」



「違うよ!!」



「潮音?」