涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


赤髪の男が、目を見開いて呟いた。



「マジかよ……

アイツ……やばいタイプの奴だ……」



男の手から力が抜けて鉄パイプが滑り落ち、道路に転がった。



猛追する夕凪に、焦ったピアス男が再びスピードを上げた。



目の前の車を追い抜いて、次の車を追い抜く前に、

夕凪のバイクが横に並んだ。



「夕凪……」



私も驚くくらいに、夕凪は怖い顔をしていた。


目が血走り、顔を歪め、鋭く男達を睨みつける。



私を助ける為なら、何がどうなってもいいという気迫。

鬼気せまる夕凪の姿に、男達が怯んだ。



幅寄せした夕凪がバイクから片手を離し、男の赤髪をわしづかんだ。



「離せっ!落ちるって!!」