返事が返ってきたのは、気のせいだろうか……
ハッとして、後ろを見た。
乗せられたバイクは制限速度をオーバーして、
片道三車線の国道を、西へ西へと走っている。
それよりも速いスピードで、車の間を縫って現れたのは、
夕凪の青いバイクだった。
フロントライトは完全に壊れている。
丁寧に磨き上げた青いボディは大きく凹み、あちこち傷だらけ。
走っているのが不思議なくらいに、ボロボロになってしまったバイク。
ヘルメットを被る余裕もなかったのか、夕凪が耳上まで伸びた髪をなびかせ、
必死の形相で追い掛けてきた。
「潮音っ!!」
「夕……凪……」
来てくれたことに驚いた後は、
ホッとして、
溢れる涙が、風で後ろに流された。
夕凪のバイクが横に並んだ。
ハンドルを握るピアス男の舌打ちが聞こえた。


