三人乗りの無茶なバイクが走り出す。
バイクはもう一台。
柄シャツを着た三人目の男が、後ろから付いてきた。
ヘルメットも被らず、改造車の爆音を響かせて、
2台のバイクは西へとスピードを上げる。
うちの田舎町とは逆方向に向かっていた。
どうすることも、出来なかった。
犯されるくらいなら、飛び下りたいと思うけど、
潰れるくらいに前後をガッチリ挟まれて、それさえ不可能だった。
涙が溢れていた。
溢れる涙はピアス男の背中を濡らし、
「泣くな、ウゼェ」
と冷たい言葉が、前から返ってきた。
今日、バイクの後ろに乗るのは2回目。
今朝は夕凪の背中に掴まり、
笑いながら風を切っていた。


