涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


しがみついていたバイクから、
ゆっくりと体を起こした。


まだ笑っている男達に向き直り、
思い切り睨みつけた。



耳にピアスをたくさん付けた男が言う。


「なんだ、可愛いじゃん。
理沙の奴、すげぇブスとか言うから、期待ゼロだったのに」



髪を赤く染めた男が言う。


「睨んでも怖くねーし。この子なら、メイド服もアリじゃね?」



柄シャツの男も言う。


「メイド服もアリだけど、脱いだ方がもっとアリ。
メイドちゃん、裸になれよ」




睨みつける私をからかい、男達は大笑いしている。


怒りが大きく膨らんで、頂点に達した。



夕凪のバイクにこんな酷いことしておいて、

ふざけて笑っている男達が許せなかった。



メイドのカチューシャを頭から外して、地面に投げ捨てた。


赤い髪の男の前に立つ。


怒りのままに、手を上げた。


ニヤニヤしているその顔を叩いてやろうと、振り下ろしたのに、

掠りもせず、私の右手は捕まえられてしまった。