涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


3人とも私服姿で、派手な外見。

うちの学校で見掛けたことのない、知らない人達。



佐伯さんが言う。



「最近、合コンで知り合ったの。

私に気があるみたいで、しつこく誘ってくるんだ。

お願い聞いてくれたら、ヤラせてあげる約束。フフッ」




佐伯さんが見せたい物。

それを理解した。



慌てて彼女に言う。



「やめてっ!お願い!

あのバイクは、夕凪が一生懸命バイトして買った宝物なの!」



佐伯さんはニヤリと笑う。



「だから壊すんだよ」


そう言って、窓の下の男子3人に声を掛けた。



「壊しちゃって!」



夕凪のバイクが蹴り倒された。

やめてと叫んでも、やめてくれない。



窓から離れ、教室を飛び出し、
階段を駆け下りた。



夕凪がどんなにあのバイクを大切にしているのか、知っている。


手に入れた日の満面の笑みを思い出し、無我夢中で走った。



夕凪のバイクを守らなければ……

その一心で、駐輪場に駆け込んだ。