涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


夕凪の言葉は正しいかも知れない。


佐伯さんが来なかったせいで、
クラス全員が困った。


急きょ係の代役をさせられた夕凪が怒るのは、当たり前。



でも私は……

泣いている彼女に同情してしまった。




校長先生の長い話がやっと終わった。


これからクラスごとに、順番にグラウンドを行進する。



うちのクラスは後の方。

まだ時間に余裕があった。



佐伯さんをパレードに参加させてあげたい。


夕凪に言えば「やめろ」と言われるだろう。



歩き出したクラスの列。

代役リーダーの夕凪は、私から離れ列の先頭に戻って行く。


それを見計らい、私はそっと抜け出した。



グラウンド側の出入口から、校舎に駆け込む。


まず自分のクラスに入り、残っている衣装を手に取った。