涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


うちのクラスじゃない、お化け屋敷にも入った。


そこは2年の先輩クラスがやっていて、

コースが短く作りも雑で、全然怖くなかった。



うちのクラスは、結構凄いのかも知れない。


佐伯さんには文句を言いたいこともあるけど、

やっぱり彼女が頑張ってくれたお陰に間違いない。


そう言葉にすれば、
夕凪にまた「お人好し」と言われてしまいそうだけど。




16時に、2日目終了の放送が流れた。


模擬店は今日で終わり。

明日はパレードと後夜祭だ。



夕凪と一緒に教室に戻った。


教室前の廊下は、クラスメイト達が集まり賑やかだった。



佐伯さんが皆に缶ジュースを配っていた。


3枚のお札の景品用ジュースは、
100本用意して、50本以上残っていた。


やはりお菊さんを二人にしたのが、効いたみたい。



「お疲れ様!」と明るく言って、
佐伯さんは、私達にもジュースをくれた。



「朝比奈さん、お化け屋敷大成功で楽しかったね!」



彼女が話しかけてくる。



「う、うん……」



途端に、ハラハラドキドキし始めた。