涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


私は立ち上がる。

上條君も、後ろに立ち上がった。



佐伯さんがジロジロと私達の顔を見て、可笑しそうに笑った。



「二人とも、顔真っ赤。
井戸の中、そんなに暑かった?

それとも……
エッチなことして興奮してたの?」



「ち、違うよっ!
何もなかったよ!!」




からかわれているだけと分かっていても、

つい全力で否定してしまう。



慌てる私に対し、上條君は小さく溜息ついただけ。


佐伯さんの冗談を無視し、私に言った。



「潮音ちゃん、ごめんね。
反省してる……」



謝ってくれたその声は、弱々しくて暗かった。

彼の後悔が伝わってきた。



上條君は井戸を跨いで、先に出た。



フォローしなければ、という気持ちになる。


折角クラスメイトとして、普通に話せるようになっていたのに、

その関係が崩れそうで、焦ってしまう。