涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


「どうかな?
さっきよりは楽になっ……」



そう言って肩越しに振り向こうとして、

心臓がドキンと跳ねた。


上條君の顔が、数センチ横にあったから。



慌てて正面に向き直る。


彼の息遣いがはっきり聞こえ、
耳に熱い吐息が掛かった。



「潮音ちゃん、ありがとう。
随分楽になった。体はね……」



「う、うん、良かった」



「良くないよ。
めっちゃドキドキしてる。

ヤバイ……
ふっ切ったはずなのに、また好きが溢れそう……」




上條君の腕を体に回したのは、
自分……


その腕に力がこもり、ギュッと抱きしめられても、

「やめて」と言えず、困ってしまう。