涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


何も起きないと夕凪が信じてくれるなら、気持ちは随分楽になる。


井戸の中で、上條君と1時間。

それは仕方ないことだと、割り切ることにした。





9時台の仕事のチケット売りは、
問題なく役目をこなすことができた。



お化け屋敷は盛況で、長蛇の列が出来ている。


佐伯さんの読み通り、お札を3枚見つけるのは難しいらしく、

景品のジュースは、数本を消費しただけだった。


1回50円のお化け屋敷に、ムキになって何度も挑戦してくれるお客さんもいて、結構儲かっていた。




そして問題の、11時が近づく。


私は着替えて、お化け屋敷の中に入った。


白い着物に、ボサボサの長い黒髪のカツラ。

着物には絵の具で血糊を付けてあり、明るい場所で見ても少し怖い。



お化けの交代時間は、数分だけお客さんに待ってもらう。


教室の明かりをつけ、10時台のお化け役と交代する。