涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


夕凪は私の隣にいる。


「いいよ」と言ったその顔は、
ホッとしていた。


気を遣ってくれた上條君に、
「悪いな」と言いかけた時、

佐伯さんが怒った。



「そこ!勝手に取り替えるのは、ダメだから!」



上條君が言い返す。



「佐伯、これはマズイだろ。
頼むから、ここだけ変えさせて?」



「駄目! そんなの認めたら、この時間はヤダとか、お化け役じゃなくチケット売りがいいとか、皆が色々言い出すよ。

ワガママ言ったら、皆の迷惑。
文化祭係に従って。

変更は一切、受け付けないから!」




佐伯さんの声は、良く通る。


クラス全員が集まる廊下は、シンとして変な空気になってしまった。