お菊さん役は、1人ずつのはずなのに、各時間とも2人ずつ名前が書いてある。
11時から12時のシフトのお菊さんは……
私と上條君の2人になっていた。
これは一体どういうことだろうか?
交代しながら、やっていいということだろうか?
その疑問を、上條君が佐伯さんに聞いてくれた。
佐伯さんは、ニッコリ笑って答える。
「交代じゃなく、2人一緒に井戸に入ってやるんだよ。
お菊さんが1人だと思いきや、
後からもう1人出て来るの。
2人目のお菊さんが、3枚目の木のお札を持っていてね」
佐伯さんの説明はこういうことだった。
お化け屋敷に隠された3枚のお札を集めると、景品にジュースが貰える。
そのジュースは100本しか用意していないから、簡単にお札を見つけられては困るのだ。
3枚目のお札は、2人目のお菊さんが持っている。
最初に出て来た1人目のお菊さんで逃げた客は、お札が手に入らなくて、ジュースが貰えない。
それを狙い、お菊さんを2人にすると考えたそうだ。


