涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


空いている椅子に座る。


私の隣には、佐伯さん。


向かいには、文化祭係で佐伯さんと仲良しの、

渡辺さんと山下さん。



偏見は持たないように……

そう心に決めたけど、今まで言われた悪口を思い出し、幾らか身構えてしまう。



渡辺さんが、アーチ型に切った黒い布を私に渡す。



「これにギャザー寄せてフリルみたいな感じで、カチューシャに縫い付けて?」



頷いて、受け取った。


作るように言われたのは、メイドのカチューシャ。

主人に殺され古い洋館をさ迷う、メイド幽霊の小物だ。



佐伯さん達仲良し3人は、楽しそうにお喋りしながら作業する。


私は黙々と手を動かす。


加奈は今も、物凄い集中力とスピードでミシンを操っている。



その状態がしばらく続き、初めて作業以外の話題を振られた。