涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


夕凪と別れて向かった先は、
被服室。


ミシンの台数に限りがあるから、使用は予約制で時間制限がある。


中に入ると、色んなクラスの女子生徒が作業していた。


うちのクラスの女子も、10人ほどいる。



その中に、加奈もいた。

唯一の手芸部の彼女は、衣装作りに大活躍してくれる。


今も吸血鬼の黒いマントに、物凄いスピードでミシンを走らせていた。



加奈の側に行き、
「上手だね」と声を掛けるが、返事はない。


私に気付かないほどの集中力で、目が爛々と輝いている。



加奈の横には、縫うべき衣装が山積み。

それでもこのペースなら、たちまち縫い上げてしまいそうだ。



「朝比奈さんはこっち。
手縫いの方」



そう言われ、加奈から離れて奥へ行く。


一つのテーブルにクラス女子3人が向かい、布を切ったり縫ったりしていた。