涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


夕凪が筆を止め、ジロリと佐伯さんを睨む。


佐伯さんは動じない。

ニッコリ笑って言う。



「やだな〜別にイジメたりしないよ?

パレードのお化けの衣装、まだ完成してないから、女子の人手が必要なんだ。

朝比奈さんがダメなら、貝原君が裁縫やってくれてもいいよ?」




器用な夕凪なら出来そうな気がするけど、

女子の作業に、男子一人は可哀相。



私は立ち上がった。

「行ってくるね」
と夕凪に言った。



夕凪が腕を掴んで私を引き止める。

心配そうな目を向けられた。



その気持ちは嬉しいけど、文化祭に関して佐伯さんは本当に一生懸命で、

心配しなくていいと思った。



「夕凪、大丈夫だよ。

佐伯さん達、頑張ってくれているでしょう?

私も出来る限りのことをやりたいの!」