涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


委員の男子は、折角手を上げた一人を逃すまいと、

急いで黒板に
『文化祭係、佐伯理沙』
と書き込んだ。



委員が言う。



「佐伯は、決定な。
あと2人。他にやってくれる奴〜」



全部で3人を決めなければならない。


皆やりたくないから、俯いてしまう。


すると佐伯さんが、また立ち上がって言った。



「私から逆指名!
渡辺、山下の2人で!」



佐伯さんの後ろの席で、渡辺さんが驚いていた。



「理沙!何でうちらまで!」



怒る彼女に顔を近づけ、佐伯さんは何かを耳打ちしている。


渡辺さんがニヤリと笑い、頷いた。


そこに指名されたもう一人、山下さんも寄ってくる。



3人はいつも一緒に行動する仲良しだ。


今朝、玄関で私の陰口を言っていたのもこの3人。



彼女達はヒソヒソくすくすと笑い合い、

佐伯さんが大きな声で文化祭委員に言った。



「文化祭係は、私達3人がやるね!
すっごい、面白そうだから!」