涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


誰も手を上げず、ジャンケンになりそうになった時、

一人の女子が「はい!」と立ち上がった。



それは佐伯さん。

教室の中央の席で、彼女の声は良く通る。



「私がやってもいいよ。
部活やってないし、文化祭も楽しそうだし!」




その言葉に、教室はザワザワし出す。


皆、驚いていた。



佐伯さんは、明るくてオシャレで、クラス女子の中心的存在ではあるけど、

学校行事に積極的なタイプではない。



行事や部活より、男子も女子も大勢集めて放課後遊びに行く……

そういうことに、積極的なタイプだった。



佐伯さんの後ろの席は、彼女と仲良しの渡辺さん。


渡辺さんが、佐伯さんの制服を引っ張って止めている。



「理沙、マジでやるの?
やめなよ、放課後遊べなくなるじゃん」