いつもの風景が違って見えた。
のろのろバスを追い越し、あっという間に学校に着いてしまう。
30分の道のりが、もっと長ければいいのにと思うほど楽しかった。
校舎の裏手の駐輪場に、バイクを止める。
ヘルメットを同時に外した私達は、顔を見合わせ笑った。
「すっごい楽しかった!」
「だろ? 毎日乗せてやりたいけど、学校に煩く言われそうだからな。
目を付けられない程度に、また二人乗りしようぜ」
「うん!」
二人とも、上がり切ったテンションが中々収まらない。
玄関までの道のりを、他の生徒が振り返るほどに笑い合っていた。
靴箱の前に立つ。
するとどこからか、
「うわ〜ウザイ。
最低女が笑ってる」
そんな陰口が聞こえた。
「あ……」
私は笑うのを止めて、俯いた。
自分に対する言葉だと、分かったから。


