涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


教室に入り、自分の席に座る。



「潮音、おはよ!」

と寄って来たのは、友達の加奈。



入学して一番最初に話したのが、加奈だ。


眼鏡で少し垂れ目の、おっとりした女の子。



私は積極的に友達作りができないタイプだから、

加奈が話しかけてくれて、本当に嬉しかった。



私達は目立たない存在。

クラスの中で、大人しく過ごしている。


明るく賑やかな女子グループには入れないというのが、二人の共通点だ。




私はそんな感じで、夕凪は…



変わってしまった夕凪を、初めは心配していた。


金髪にピアスの校則違反の姿に、友達が出来ないのではないかと。



でも、そんな心配はいらなかったみたい。



先生には度々注意されているけど、

クラスメイトは夕凪に興味を持って寄っていく。


夕凪の周囲には、いつも友達がいた。