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9月下旬、
夕凪の髪の毛が、坊主と言われないくらいに伸びた頃。
夜10時を過ぎた遅い時間に、突然夕凪がうちに来た。
お風呂上がりの私は、パジャマ姿で出迎える。
夕凪はバイト帰り。
なぜか興奮した顔をしていた。
「潮音、外来て!
早く、早く!」
手を引かれ、外に出る。
涼しい風が、乾いていない髪をさらう。
急かされて店の駐車場に走って行くと、見慣れないバイクが置いてあった。
「このバイク……夕凪の?」
夕凪は黒いシートをパンと叩いて、
「今日、買ったんだ」
と自慢する。
ガソリンスタンドでのバイト代と、夏休みの海の家でのバイト代をつぎ込み、
中古のバイクを65万円で買ったと言う。
原付ではなく、普通二輪を欲しがっていた夕凪。
目がキラキラ輝いて、本当に嬉しそう。


