涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


夕暮れの中、波間に浮かぶサーファーの姿が二人。

今日は随分と少ないみたい。



波が絶え間なく打ち寄せる。

波音に合わせて、夕凪の背中を撫でていた。




夕陽が更に西に傾き、波が真っ赤に燃えていた。


夕凪は私の髪に顔を埋め、しばらく泣いて、

やがて涙を収めた。



大きく深呼吸して、私からゆっくり体を離す。


夕凪は腕を伸ばして、海の方を指差した。



「あの日、俺はあそこで待っていたんだ……」



夕凪の指の先には、船着場があった。


誰もいない、のぺっりとした細長いコンクリート。

その白い肌が、オレンジ色に染まっていた。



「夕方6時過ぎからあそこにいた。

ずっと待ってた。夜が明けるまで……」




驚いて、言葉が出なかった。



“いつもの場所”で待ち合わせた私達、

私はそれを、駄菓子の富倉の青いベンチだと思っていた。


中学への登校で、毎朝待ち合わせていた場所だから。