誰に向けて話しているのか、気になった。
私の話しをするからには、知り合いに違いない。
顔見知りの、おじさんおばさん達の顔が頭に浮かんだ。
止めていた足を一歩二歩と、前に進める。
店の暖簾に手をかける。
おばちゃんは、まだ私について話し続ける。
「なんであの雨にベンチに座ってたか知らんけど、放っといて悪かったよ。
もう半年以上経つけど、あたしゃ潮音ちゃんに謝りたくてね。
今度店においでと言っといて。
夕凪も、同じ学校通っているんだろう?」
おばちゃんがそれを言い終わるのと同時に、
私は店の暖簾をくぐっていた。
驚いて、息が止まった。
「あれ、噂をすれば潮音ちゃん!
たった今、あんたの話し、してたんだよ」


