「これから返事を聞くんだよ。
この教室で。
気になるなら、貝原も聞いて行けば?」
夕凪がゆっくり視線を上げた。
上條君を見て、
それから私を見る。
机7つ分離れた場所から、夕凪は久しぶりに私を真っすぐ見てくれた。
茶色の瞳が、揺れていた。
その目の奥の想いを汲み取るには、
心が傷付き過ぎていた。
睨まれてもいないのに、ビクリと体が震えてしまう。
また嫌いだと言われる気がして、
固く目を閉じ、耳を塞いだ。
怯える私に、すぐに温かい腕が伸びてきた。
私をそっと抱きしめたのは、
上條君……
「ごめん、煽り過ぎた。
喧嘩はしないよ。大丈夫だから、怖がらないで」
上條君は優しく言ってから、
夕凪にはキツイ口調で言った。
「潮音ちゃんが怖がってるから、帰ってくれる?
お前が帰らないなら、俺らがどこか移動するけど」


