加奈は驚いていた。
予想では、断ると思っていたらしい。
驚いてから心配された。
「貝原君は?
いいの? 諦めるの?」
夕凪は…… 好き。
大好き。
でも、それではいけないのだと、
昨夜ずっと考えていた。
苦し過ぎて、心が堪えられなくなっていた。
上條君は夕凪を忘れさせてくれると言った。
その言葉に縋りたくなった。
彼に逃げてしまいたくなった。
片思いに疲れていた。
波にもがき続けて、もう半年……
掴まるブイがほしかった。
夕凪はまだ登校していない。
ホームルームの予鈴が鳴った。
今日は休むのだろうか?
空っぽの夕凪の席を見つめた。
加奈は心配してくれた。
「潮音、 本当にそれでいいの?」
「…… うん
もう疲れちゃったの……」


