涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


今の私の笑顔は、ぎこちないみたい。


上手く笑えない理由は、加奈の言う通り夏休みにある。



一言で言えないくらい、この夏は色々あった。



もらった匂い袋を握りしめ、無言になった。


そこに上條君が登校してきた。



彼は誰にともなく、入口で
「おはよー」と挨拶する。



「上條、はよっ!」



クラスのあちこちで返事が聞こえた。



上條君が机に鞄を下ろすと、すぐに友達の輪が出来た。



それをジッと見ていると、察しのいい加奈は、

私に何があったのか気付いたみたい。



「上條君についに言われたの?
付き合ってくれって?」



「う、うん……」



「そっか。
それで、何て答えたの?」



「今日、返事をする約束なの……」




どう返事をするのかと、加奈はしきりに聞いてくる。



私は俯いて、モソモソ小声で言った。



「上條君と、
付き合おうと思ってる……」