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翌日、久しぶりの制服を着て学校へ行った。
朝の教室は、賑やかだ。
日焼けしたクラスメイト達が、それぞれの夏休みを語り、笑い声で溢れている。
今日提出の宿題を、必死に書き写している男子もいた。
席に着くと、笑顔の加奈が寄って来た。
「潮音、おはよ!
久しぶりだね〜
これ、潮音にお土産ね」
加奈は夏休みのほとんどを、田舎の祖父母の家で過ごしていた。
そこのお土産と言ってくれたのは、和模様の可愛い匂い袋。
ビニールパッケージから出して匂いを嗅ぐ。
懐かしいような、安らぐような、
そんな和の香りがした。
心からお礼を言って、微笑んだつもりだった。
それなのに、加奈に心配そうな顔を向けられた。
「夏休み…… 何かあった?」


