涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


一瞬固まったように見えたシルエットに、そんな願いを託す。



その願いは……

叶わなかった。



夕凪は手早く着替えて、出て来た。



不愉快そうな顔で、私を見下ろす。



震えて立ち尽くす私の横を、夕凪はゆっくり歩く。


通り過ぎざまに、彼は冷たく言い放つ。



「俺には、関係ねぇ」




最後の賭けは、無惨に散った。


もう駄目だと、心に諦めの色が広がってしまう。



振り返ることは、出来なかった。


涙が溢れていたから。



離れて行く足音は、冷たくて重たい。



駐車場のミニバイクに、エンジンが掛けられた。



ヴォンと一度空吹かせてから、
バイクは夕焼けの中を走り去った。




――――……