高波の押し寄せるサーフィンエリアは、海水浴場よりも沢山の人がいた。
沖を見渡すが、夕凪の姿を見つけられない。
サーフショップで、父と立ち話しでもしているのだろうか……
そう思い、自宅へ行こうとした。
振り向きざまに駆け出したため、ドスンと後ろの誰かにぶつかってしまった。
それが夕凪だった。
強くぶつかり、体勢を崩す。
転びそうな私の腰に、夕凪の片腕が素早く回された。
強い力で引き寄せてくれたから、転ばずに済んだ。
「夕凪…… ありがと……」
「別に……」
夕凪は私から手を離す。
小脇にはサーフボード。
そのまま横を通り過ぎ、海へ向かおうとするから、
慌てて引き止めた。
「待って!
これ、スポーツ飲料、お母さんからの差し入れ」


