「潮音ちゃん…」
上條君が、私の手を優しく握った。
心がますます、大きく波打つ。
その時、
大きな波しぶきに襲われた。
船着き場のコンクリートに、水溜まりが出来た。
私も上條君も、頭から海水を被り、乾きかけていた水着がまた濡れた。
高波が来たのではない。
私達に水をかけたのは、夕凪のサーフボードだ。
波に乗り、スピードを上げた状態で急にターンをするから、
私達に海水が掛かったのだ。
夕凪はまたスピードを上げて、遠ざかって行った。
上條君が「大丈夫?」と心配してくれた。
水着なので、問題ない。
横に置いてあるTシャツとショートパンツも濡れたけど、
自宅はすぐそこで、これも問題ない。


