私が夕凪に恋をしていると理解した上で、上條君は付き合ってと言った。
真っすぐなその目に、心が揺れた。
上條君が素敵な人だと知っている。
こんなにウジウジ弱い私に、いつも笑顔で話しかけてくれる。
「潮音ちゃんが、好きなんだ…」
彼は念を押すように、もう一度言った。
強気の瞳の奥に、不安も見え隠れしている。
片思いの辛さは、良く分かる。
好きだと言うのに、どれだけ勇気が必要なのかも。
私は夕凪に嫌われてビクビクしているだけなのに、
上條君は、こんなにも真っすぐに気持ちをぶつけてくれる。
上條君は…凄いね…
心が波打つのを感じた。
『あいつを忘れさせる…
君を苦しみから救いたい…』
その言葉が甘い果実のように、私を誘惑する。
上條君と付き合えば…
夕凪への恋心は、消えるのだろうか…?
恋しくて、届かない…
この苦しみから、解放されるのだろうか…?


