その時の、楽しい気持ちが蘇る。
自然と頬が綻んでいた。
想い出と一緒に、ゆったり海の中を楽しんでいると、
私に追いついた上條君に、腕を掴まれた。
親指を立て、浮上の合図をするから、二人で海面に顔を出す。
私は平気だけど、上條君は立ち泳ぎしながら呼吸を乱していた。
泳ぎは得意と言った彼。でもプールと海は違う。
上條君には足がつく浅い場所が良かったかも知れない。
気がついてあげられなかったことを反省して、一度海から出た。
二人で元の船着場に戻る。
上條君はコンクリートに寝そべり、
私は隣に座り、足をたらす。
爪先を時々波しぶきが掠めた。
夕凪と男子数人が、海に入っていた。
パドリングの仕方を、教えているみたい。
女子達は飽きたのか、ビーチボールで遊んでいた。


