涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


サーフィンを教えろと言った男子に急かされ、

夕凪はビーチを歩き出した。



向かった先は、船着場の向こう側。

海水浴場から少し離れた、サーフィンエリアだ。



海水浴場ほどではないが、ここも人が大勢いた。


30人ほどのサーファーが沖に出ている。


ボディボードを楽しむ女性客も多い。


砂浜もそれを見物している若者達で、混み合っていた。




夕凪は走ってうちのサーフショップに行く。


数分して自分のサーフボードと、クラスメイトに貸すためのレンタルボードを抱えて戻ってきた。



白にブルーラインの、夕凪のボード。

使い込まれ、傷を修復した跡がたくさんある。



やってみたいと言う男子が、

「手本を見せて」

と夕凪に言う。



夕凪はTシャツを脱いで、砂浜に投げ落とした。



美しい半裸に、サーフパンツ一枚の姿。


体育祭と同様、男子も女子も見惚れている。