涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


端から順に見ていき、自分の名前を中ほどに見つけた。


1年D組、朝比奈(アサヒナ)潮音。



D組であることを両親に伝えた後は、別行動。


保護者は、体育館の父母席へ。


私は自分のクラスに入らなければいけないのだけど、

まだホワイトボードの前にいた。



夕凪の名前を探していた。

200人近い名簿の中から、すぐに彼を見つけ出す。



1年D組、貝原(カイバラ)夕凪。


私達は同じクラス。


嬉しくて、飛び上がりたい気分だった。



周囲は賑やかだった。


知り合いの名前を探したり、同じクラスを喜び合う生徒達。


早速友達作りを始め、積極的に話しかけている女の子もいる。



キャアキャアと明るい歓声や笑い声で、玄関前は騒々しい。



その騒がしさが、突然途切れた。


なぜか辺りは静かになり、みな一点に注目していた。


周囲の視線を追って、私も振り返る。



そして…

息を飲んだ。