涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


ホームルーム開始の本鈴が鳴る。


夕凪と入れ違いに先生が入って来て、一旦騒ぎは収まった。



先生は体育祭二日目に、勝ち残っている種目を読み上げる。


男子バスケ、卓球、女子バレー、女子サッカー…



私が出ている女子サッカーは、
昨日3回戦まで勝ち抜いていた。



練習もしていないのに、
なぜ勝てたのか分からない。


運がいい。

それだけしか、理由が思いつかない。



私の貢献度もゼロだ。

誰もパスをくれず、ただコートをウロウロしているだけ…




今日の初戦は、準決勝になる。


朝一の9時から試合で、
それに勝てば、午後から決勝。



クラスの為に勝ちたいと思う心の他に、

早く負けて終わりたいと思う気持ちも、芽生えていた。



佐伯さんをチラリ見た。


夕凪の斜め後ろの席の彼女は、
隣の席の女子と何かを囁き合い、クスクスと笑っていた。



ジッと見すぎてしまったのか、

佐伯さんが私を見た。


大きな丸い目がスッと狭まり、睨まれた。