涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


ホームルーム開始の5分前に、上條君が登校してきた。


夕凪の周りで賑やかにしていたクラスメイト達が、静かになる。


勝負に負けてしまった上條君に、気を遣っているのだ。



上條君は机にドサッと鞄を下ろす。


そこに、仲の良い男子二人が寄っていく。


気まずそうな顔の二人を見て、上條君は笑った。



「変な顔して、どうした?
まさか、気を遣ってんの?

やめてよ、負けてめっちゃ恥ずかしいのに、更に恥ずかしいじゃん。

俺って馬鹿だよな〜ハハッ」




上條君が笑いながらそう言ったことで、

場の空気が一気に緩んだ。



彼の友達が、背中をバシバシ叩いて言う。



「上條だって、スゲーよ。

2位のお前と3位の差、タイムにして2分空いてたらしいぞ?」



「そうそう。お前ら二人凄すぎんだって。

こいつ、サッカー部なのに陸上部に勧誘されてやんの。ウケルし、ハハッ!」