涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


バスを下りると、真新しい制服の新入生達が大勢歩いていた。


私と同じように、親と一緒に高校に向かう。



街路樹は、芽吹きの準備をしている。


こぶしの白い花が満開で、綺麗だった。


桜は5分咲きくらい。あと数日で満開になるだろう。



日差しは暖かいけど、春風が強く、

チェックのスカートが捲れないよう、手で押さえて歩いていた。




校門を潜り、前庭を通る。

花壇には、蕾を持ったチューリップが植えられていた。



校舎は古びた4階建てで、ごく一般的な造りだ。



正面玄関を通る前に、自分のクラスを確認する。


ホワイトボードが立ち並び、名前が書かれたクラス表が張り出されていた。