ゴールした二人は、惰性で数メートル走ってから、
トラックに転がった。
天を仰ぎ、寝そべって、苦しげに喘いでいた。
夕凪が… 勝った…
嬉しくて、涙がどんどん溢れて来る。
クラスメイト達が、寝転ぶ夕凪を囲んだ。
「お前、スゲーじゃん!
まじリスペクトだわ!」
「貝原って何者?
ヤベッ、お前と話してー!
この後一緒に、飯食おうぜ!」
まだ呼吸が整わず苦しそうな夕凪に、興奮した男子達が話しかける。
「貝原君、カッコ良かったよ!」
「私感動して…涙腺ヤバイよ…」
女子達も、そんな風に夕凪を褒めてくれた。
期待した通りだった。
夕凪が真面目に走れば、きっと誤解は解ける。
皆、夕凪を見直してくれる。
夕凪がクラスに溶け込んだ瞬間だった。


